Interview先輩インタビュー

これまでにいくつかの職業を経験しましたが、実はいずれも今の仕事とは全く関係のないものでした。30歳のとき、転職活動を行うにあたってハローワークの職業訓練校に入り、担当者の方に「一番就職率が高い学科はどれですか？」と聞いたところ、「電気設備管理科は、勉強は難しいが資格を取得できれば今後の選択肢が増える」と勧められ、当科を専攻することにしました。

何の知識もない状態で入学しましたが、実際に授業を受けてみると、電工技術など自分の手先の器用さを活かせる実技が楽しく、毎回新しい発見もあり、充実した半年間を過ごすことができました。

職業訓練校でいくつかの資格を取得し、卒業目前に就職セミナーへ参加したのですが、そもそも女性の技術職を採用していない企業が多く「あれ？聞いていたことと違うな」と思ったことを覚えています。

そんな中、女性を積極的に採用していたのがTBMでした。正直、入社前に事業内容を十分に把握できていたわけではありませんでしたが、女性採用に積極的ということは受け入れ体制も整っているのではないかとチャンスを感じたのが、入社のきっかけのひとつです。

入社当初、現場ではまだ受け入れ体制の整備が追い付いていない部分もありました。例えば、配属先の部屋数の問題で、当初女性は宿直のシフトに入れませんでした。しかし、会社としては今後女性技術員を増やしていきたいという意向があり、宿直も含めた体制や設備、制度面に関する意見を積極的に吸い上げ、解決に向けて取り組んでいただいています。

男社会というイメージがある業界ですが、宿直のような物理的な問題はあるものの、実際の現場では男性にしかできない仕事だと感じることはありませんし、同僚との関係を含め、肩身の狭い思いをしたことは一度もありません。むしろ、女子トイレや更衣室など、女性しか立ち入らない場所のメンテナンスでは女性技術者はとても重宝されています。

現在は、都内の大規模ビルの消防班として勤務しておりますが、消防設備にかかわらず全設備を持ち回りで点検し、不具合があれば自ら直したり、専門の協力会社さんを手配したりしています。

入社前はもっと工事関連の業務が多く、1日中ボイラー室で過ごすのかなと想像していましたが、実際には点検業務やビル内でテナント様と接する機会の方が多いです。

はじめはコミュニケーションに自信がなく、うまく接することができるか不安でしたが、経験豊富で優しい先輩方の真似をすることから始めました。だんだんと知識が増え、何かを聞かれた際にもしっかりと説明ができるようになったことで自信がつき、テナント様や業者さんとの会話も次第に楽しめるようになってきました。

また、勤務中は制服を着ているため、すぐに自分を認識していただけますし、ビル内で顔馴染みの方も増えたこともあって、以前より仕事がよりスムーズに進むようになったと感じています。

点検などの業務に加え、いわゆるデスクワークも行っています。私は仕様書や説明書の作成といったパソコンを使う仕事も好きなので、共通で使えるフォーマットの整備にも積極的に取り組んでいます。

その際、心がけているのは「どのように噛み砕けば分かりやすいか」ということです。
私のように、訓練校や大学、専門学校などで知識や資格を得てから入社する方が多い一方、社内にはまったくの未経験で入社される方や事務職から技術職に転身される方、また専門外の業務に新たにチャレンジされる方もいます。こういった方に寄り添い、誰が見ても分かりやすいものにすることが目標です。
また書類だけでなく、常に後輩の状況や気持ちに寄り添える先輩でありたいとも思っています。

4年目の現在、“主任”を任されていますが、今後は“係長”や“課長”といった役職も視野に入れて頑張りたいです。

世間的には、女性がキャリアを積むことにはまだまだ課題があると感じていますが、高いポジションに女性が一人でもいれば、誰かのロールモデルとなり、目指すべき存在のひとつになれるかもしれないとも考えています。

そのためにも、難易度の高い資格取得はもちろん、どんな状況にも対応できるよう、これまで以上に現場経験を積極的に積んでいくつもりです。

男性が多い職場でも、体力差が問題になるような職業ではないですし、女子トイレや更衣室など、日常的に女性技術員が求められる場面も多いため、女性であることがむしろプラスになっていると感じています。
柔軟に変えていこうとしている流れに乗って、キャリアを積んでいける今がチャンスです！自信を持って、胸を張ってぜひチャレンジしてみてください。