Interview先輩インタビュー

大学では数学の専門的な領域を学んでいましたが、就職活動ではその分野にこだわらず、幅広い視点で企業を探していました。ある意味「なんでもあり」の状態で合同説明会などに参加していたのですが、さまざまな業界・業種の方に話を聞く中でTBMと出会い、初めて「ビル管理」という仕事があることを知りました。
仕事内容の説明を受けた際に、必要な資格について伺ったところ「電気に関する知識があるとよい」とのことでしたので、なんとなく数学とつながる部分があるかもしれないと感じました。しかし、決め手となったのは、担当者の方がおっしゃった「建物があるかぎり、仕事はある」という言葉に安定性を感じたことが大きかったように思います。

入社後、実際に配属されたのは一般的な建物の管理部門ではなく、サーバーが置いてあるデータセンターの建物を管理する部署でした。データセンターでは、複数のテナント様のサーバーが置いてあり、サーバーの稼働を止めないことが最重要業務なので、停電が発生しても送電できるバッテリーや、自家発電できる設備などを保守管理しています。またサーバーは熱を溜め込むので、冷却のための設備も多数あります。

サーバーはお客さまのビジネスにとって非常に重要なものですし、停止することによる損失は計り知れません。そのため、設備の点検や操作には非常に神経を使います。

実は、一度宿直の日に停電が発生したことがあります。あの時は、顔面蒼白になりながら、情報収集と伝達、機器の動作確認を行いました。応援の方が来てくれたのを見て冷静さを取り戻し、何とか乗り切ることができましたが、事態が収束した後は燃え尽きたような感覚がしばらく抜けなかったことを今でも鮮明に覚えています。

停電に限らず、想定外のことは日常的に発生します。経験を積むうちに、その際にはまず「どうする？」と対応を考えて冷静に対処し、その後で「なぜ？」と原因を突き詰める、という流れがだんだんと身についてきました。

今年8年目ということで、このプロセスを次の世代に残していくことが求められていると感じており、実際に残す作業を始めています。手順書だけでなく、実際に起きた事象とその原因や背景を正確に伝えることを心掛けています。

緊急対応に限らず、各お客さまのサーバーの細かい差異や取り扱い方など、伝え残していかなければならないことはたくさんあります。ここ数年はマニュアル作成が必要な立ち上げ部署に配属されることが続いており、先輩から教えていただいたことを踏まえつつ、自分なりのマニュアル作りに励んでいます。マニュアルがないとみんなが困りますし、ひいては自分のためにもなるので、モチベーションのひとつになっています。

建物が変わればお客さまも業界も変わります。転職と同じように、いろいろな業界をみて幅広い経験ができますし、マニュアル作りをしていると、建物や設備の歴史を紐解いているようで楽しいです。

入社以来一貫してデータセンターで勤務しており、いまは次世代への伝達役として土台を築いていく時期と自覚しています。足場固めが終わったら、次は一般的なビル管理も経験したいと考えています。

入社前は「設備＝裏方」のようなイメージだったのですが、実際は表に立つことも多く、また、ひとりですべてを賄うというよりは、社内外問わずいろいろな人と協力しながら仕事を進めていくことが必要となります。特にサーバーを保守している方々とは、社外の方ながら仲間のような感覚です。

職場環境は良好ですが、建物から出れば、仕事のことは意識的に考えないようにしています。止まることなくサーバーは稼働しているので、気持ちを切り替えないとずっと考えてしまいますから。

また、宿直が週に1〜2回あり、就寝時間の変動があるので、休みの日はしっかり睡眠をとって体をリセットするようにしています。

私自身、電気関係をはじめ業務に必要なことは入社してから学びました。資格も入社後に取得しました。学ぶ姿勢があれば文系でも理系でも関係なく活躍できます。また、体力面でも男女関係なく十分に対応できる仕事です。

就職説明会までは存在を知らなかった職業でしたが、結果的に自分にはとても合っていました。学生のみなさんも、先入観をもって視野を狭めることなく、いろいろな業界・業種・企業についてまずは知ってみるといいのではないかと思います。そこから思いもしない出会いがあるかもしれません。